13歳でギターを始め、速弾きに夢中になった
13歳の頃にエレキギターを始め、25歳頃まで弾いていました。
当時はハードロックやヘヴィメタルに夢中で、バンド活動もしていました。
特に憧れていたギタリストが、イングヴェイ・マルムスティーンです。
クラシカルで美しいフレーズを、信じられないようなスピードで弾きこなす。しかも、ただ速いだけではなく、一音一音に独特の迫力がある。
あんなふうにギターを弾いてみたい。
そう思って、速弾きの練習に夢中になっていました。
当時使っていたギターは、Fenderのストラトキャスター。シングルコイルのピックアップを3つ搭載したSSS仕様です。
アンプはMarshall、エフェクターはKORGのマルチエフェクターを使っていました。
音作りにも苦労しましたが、それと同じくらい悩んだのが、速弾きに適したギターのセッティングです。
特にこだわっていたのが、ピックの厚さと弦の高さでした。
そして、憧れのイングヴェイと同じような仕様のギターを試してみて、意外なことにも気づきました。
憧れのギタリストにとって弾きやすいギターが、自分にとっても弾きやすいとは限らない。
今回は、そんな昔の経験を振り返りながら、速弾きとギターのセッティングについて書いてみたいと思います。
1. 速弾きには超厚めのピックが弾きやすかった
エレキギターのピックには、薄いものから厚いものまで、さまざまな種類があります。
一般的に、薄いピックはしなりやすく、厚いピックはしなりにくいという特徴があります。
私の場合、速弾きをするうえで圧倒的に弾きやすかったのが、超厚めのピックでした。
イングヴェイも厚いピックを使うことで知られています。
私もそれに倣って、かなり厚いピックを使っていました。
厚いピックは、弦に当たったときのしなりが少ないため、ピッキングの感覚がダイレクトに伝わります。
特に、ダウンピッキングとアップピッキングを交互に繰り返すオルタネイトピッキングでは、その感覚が自分に合っていました。
速いフレーズを弾こうとすると、ピックのわずかなしなりも気になるものです。
もちろん、薄いピックでも速弾きはできます。ピックの形状や持ち方、弾き方によっても違います。
ただ、私にとっては超厚めのピックが一番しっくりきました。
この点については、憧れのイングヴェイと同じ方向のセッティングが合っていたわけです。
2. ところが弦高はイングヴェイと正反対だった
ピックについてはイングヴェイと同じようなものが弾きやすかったのですが、弦高についてはまったく逆でした。
弦高とは、フレットの上端から弦の下端までの距離のことです。
イングヴェイは、比較的高めの弦高を好むことで知られています。
ところが私は、弦高を低くしたほうが圧倒的に弾きやすかったのです。
弦高が低ければ、弦を押さえるまでの距離が短くなります。
速いフレーズを弾くときには、左手の指をできるだけ無駄なく動かしたい。
そのため、私の場合は弦高を低めに設定していました。
もちろん、低くしすぎれば弦がフレットに当たってビビることもあります。
それでも、自分にとって弾きやすいのは低めのセッティングでした。
だからこそ、当時からずっと不思議に思っていたことがあります。
「イングヴェイは、あんなに弦高が高いのに、どうしてあれほど速く弾けるのだろう?」
同じような速弾きを目指しているのに、弾きやすい弦高は正反対。
これは本当に不思議でした。
3. 速弾きには弦高が低いほうが有利なのか?
では、一般的に速弾きをするなら弦高は低いほうがよいのでしょうか。
弦高が低い場合、弦をフレットに押さえつけるまでの距離が短くなります。
そのため、軽いタッチで速いフレーズを弾く人には、低い弦高が合うことがあります。
一方で、弦高が低すぎると問題も出てきます。
例えば、次のようなものです。
- 弦がフレットに当たってビビリ音が出る
- サステイン(音の伸び)が悪くなる場合がある
- 強くピッキングしたときに音が詰まる
- チョーキングしたときに音が途切れることがある
反対に、弦高が高ければ弦の振動する余裕を確保しやすくなります。
ただし、弦を押さえるための指の移動量や力は増えます。
つまり、低ければ低いほど速く弾けるという単純な話ではありません。
ピッキングの強さ、左手の押弦、弦の太さ、ネックやフレットの状態なども関係します。
私の場合は低めの弦高が合っていましたが、それが誰にとっても正解とは限らないのです。
4. スキャロップ加工のギターも弾いてみた。でも弾きづらかった
イングヴェイのギターを語るうえで欠かせないのが、スキャロップ加工です。
スキャロップ加工とは、フレットとフレットの間の指板を削り、くぼませる加工のことです。
通常のギターでは、弦を押さえたときに指先が指板に触れることがあります。
一方、スキャロップ加工されたギターでは、指先が指板に触れにくくなります。
そのため、軽いタッチで弦をコントロールしやすい一方、押さえる力が強すぎると音程がシャープしやすいという特徴もあります。
実は私も、スキャロップ加工されたギターを弾いたことがあります。
イングヴェイに憧れていたので、当然興味はありました。
ところが、実際に弾いてみると、これが弾きづらかったのです。
普段使っていたストラトキャスターとは、明らかに弾いたときの感覚が違いました。
もちろん、慣れの問題もあったのかもしれません。
ただ、少なくとも私には、普通の指板のほうが弾きやすく感じられました。
ピックはイングヴェイと同じように超厚めがよかった。
でも、弦高は低めがよかった。
そして、スキャロップ加工も自分には合わなかった。
憧れのギタリストと同じ仕様を目指していたのに、実際に弾きやすいと感じる設定は違っていたのです。
これは今振り返っても面白い経験だったと思います。
5. そもそもイングヴェイはなぜ高い弦高で速く弾けるのか?
当時の私が不思議に思っていた疑問です。
一般的に、弦高が高いと弦を押さえるまでの距離が長くなります。
それなのに、イングヴェイは驚異的なスピードでギターを弾きます。
なぜなのでしょうか。
もちろん、本人の演奏技術が非常に高いということが大前提です。
また、弦高だけでなく、ピッキングの強さや左手の動かし方、弦のゲージ、スキャロップ加工など、さまざまな要素が関係していると考えられます。
スキャロップ加工された指板では、指先が指板に触れにくく、通常の指板とは押弦の感覚が異なります。
ただし、スキャロップ加工だから速く弾けるというわけではありません。
結局のところ、長年の演奏によって身につけた技術と、自分に合ったセッティングが組み合わさっているのでしょう。
私には低い弦高のほうが弾きやすかった。
イングヴェイには高めの弦高が合っている。
同じ速弾きでも、そこに至る方法は一つではないということなのだと思います。
6. 速弾きを練習する人におすすめの弦高の目安
これから速弾きを練習する方は、まず現在のギターの弦高を確認してみるとよいでしょう。
弦高は一般的に、12フレットのフレット上端から弦の下端までの距離を測定します。
エレキギターでは、例えば次のような数値を調整の出発点にできます。
| 弦 | 12フレットでの弦高の参考値 |
|---|---|
| 1弦(高音E) | 約1.5mm |
| 6弦(低音E) | 約1.75〜2.0mm |
これは速弾き専用の設定ではなく、あくまで一例です。
ここから少しずつ調整して、自分にとって弾きやすい高さを探してみてください。
ただし、弦高はネックの反りやフレットの状態とも関係しています。
無理に下げすぎると、ビビリ音や音詰まりが発生することがあります。
調整に慣れていない場合は、楽器店に相談するのもよい方法です。
7. 速弾きのためのセッティングで大切だと思うこと
昔の自分を振り返ると、とにかくイングヴェイのように弾きたいと思っていました。
ピックを変えたり、弦高を調整したり、スキャロップ加工のギターを試してみたり。
少しでも速く、少しでも滑らかに弾けるようになりたかったのです。
しかし、今考えると、プロのギタリストと同じセッティングにすることが必ずしも正解ではありません。
手の大きさも違えば、指の動かし方も違います。
ピッキングの強さや、弦を押さえる感覚も人それぞれです。
憧れのギタリストの機材や設定を参考にするのは、とても楽しいことです。
でも、実際に試してみて弾きづらければ、無理に合わせる必要はないと思います。
速弾きに最適なセッティングとは、有名ギタリストと同じ設定ではなく、自分が最も自然に弾ける設定なのかもしれません。
まとめ:イングヴェイに憧れたあの頃のギターセッティング
13歳から25歳頃まで、ギターに夢中だった時代。
イングヴェイのような速弾きを目指して、何度も練習していました。
そのなかで、ギターのセッティングにもこだわっていました。
私の場合は、次のような結果でした。
- ピックは超厚めが弾きやすかった
- 弦高は低めのほうが弾きやすかった
- スキャロップ加工のギターは弾きづらかった
憧れのギタリストと同じ仕様が、自分にも合うとは限らない。
実際に弾いてみて、そう感じました。
今でも、イングヴェイが比較的高い弦高であれほど速く弾けることは、すごいと思います。
ギターの面白さは、同じ曲を弾くにしても、人によって弾き方もセッティングも違うところにあるのかもしれません。
これから速弾きを練習する方は、ぜひ自分に合ったピックや弦高を探してみてください。
そして、憧れのギタリストの真似をするだけでなく、自分なりの弾きやすさを見つけてほしいと思います。
次回は、当時使っていたストラトキャスターとMarshallを振り返りながら、太く迫力のある歪みサウンドの作り方について書いてみたいと思います。

